『記憶の場』と記憶の歴史の可能性

現在、とある事情から記憶の歴史についての研究会に所属することになり、そこでピエール・ノラの『記憶の場』の序論についてコメントしてほしいということで、簡単な発表をしました。 そのまま放置しておくのもなんだったので、その内容を少し修正して、ここ…

ヘイドン・ホワイトと歴史叙述

ずいぶんと放置してましたが、ちょっと更新しておこうと思います。ここ最近ぼちぼちと『思想』8月号の「ヘイドン・ホワイト的問題と歴史学」を読んでいます。 まだD.ハーランの論文の翻訳までしか読んでませんが、ちょっと考えたことをまとめておこうと思い…

ミシェル・ド・セルトー『ルーダンの憑依』

先日、ミシェル・ド・セルトーの『ルーダンの憑依』で読書会を行いました。 せっかくなので、レビューとはいかないまでも、読んだ感想なんかを書いておこうかと思います。ルーダンの憑依作者: ミシェル・ド・セルトー,矢橋透出版社/メーカー: みすず書房発売…

メディアの発展と歴史

書かないわけではありませんと言いながら、ずいぶん更新してませんでした。 忙しかったと言えばそうなのですが、何となくだらだらと日々が過ぎていったほうが正しいような気がします。 さて、今回何を書こうかというと、近世における印刷技術の発展と歴史学…

書かないわけではありません。

デザインをtwitter使用にしました。すっかりtwitterのある生活に順応してしまっています。またtwilogにリンクできるようにしておきました。ほとんど意味のないつぶやきですが、気になる方はどうぞ。いればの話しですが。このブログを更新していないのは、い…

労働と歴史学

昨日、BI(ベーシックインカム)についての公開講演に行って来ました。個人的にBIが導入されることは大学院生、若い研究者にとって非常に有益であると思っています。 「高学歴ワーキングプア」という問題が指摘されるようになり、使い捨てのように若い研究者…

twitter考

前回twitterを始めたことを書きました。 やってみて感じたことを書いておきます。twはブログ以上にジャンクな情報が多い。 このことは一見悪いことのように思いますが、情報の多様化という意味においては非常に大きな効果があると考えられます。 おそらく現…

いきおいで・・・

最近の懸案事項であったツイッターへ登録してみました、いきおいで。 自分がどこに向かっていくのか、不安。 いいのだろうか、これで・・・。 とりあえず、仲間うちで先陣をきってみました。 続く人がいるのか?興味のある人は以下へ http://twitter.com/m_y…

追悼・・・?

ついに、レヴィ=ストロースが死にましたね。 100歳まで生きていたという事実も驚嘆です。 このまま死なないんじゃないかという気すらしていましたが、レヴィ=ストロースも普通の人間だったわけです。 当たり前だけど。 特に、影響を受けるほど、熱心に受容し…

ミクロ・ヒストリーについて

大学の講義で、ナタリー・デーヴィス『帰ってきたマルタン・ゲール』を扱ったことは前回書きましたが、その続きで、カルロ・ギンズブルグの『ベナンダンティ』をとりあげました。 この二つの著作に関連して、ミクロ・ヒストリーについて考えたことを書いてお…

ポストモダニスト?

昨日、某講演に聴衆として参加して、講演後、一緒に参加していた後輩たちと話していて、考えたことをまとめておきたいと思います。 最近、よく僕は周りからポストモダニストだという評価を受けることがあります。 常々これについて若干の違和感を感じてきま…

ナタリー・Z・デーヴィス『帰ってきたマルタン・ゲール』

久しぶりに、ナタリー・Z・デーヴィス『帰ってきたマルタン・ゲール』を読みました。 最初に読んだのは、大学に入って2年目か3年目だったと思うので、おそらく10年前ぐらいかと思います。 読み直したのは、大学の講義で採りあげようという極めて義務的な理由…

歴史学の提示できるものとは?

大学が始まり、すでに3回講義が終わりました。 ようやく日常生活のペースをつかみ、講義の準備と並行して、なんとか研究時間を確保できるようになりました・・・と思いきや、舞いこんでくる雑用の数々。 「本当にオレがやらなきゃいけない仕事なのか!」 と…

雑用は増える、ゆえに進まず

9月も半ば、あと2週間もしないうちに、大学が始まる・・・。 にもかかわらず、雑用を片付ける必要があり、本来すべきこと(研究や授業準備)が遅々として進まず、困ったもんだと思っている今日この頃です。 お知らせとして、自分の専門の論文が出ましたので…

夏休みとはいうものの・・・

ずいぶんと更新していませんでした。 大学も夏休みに入り、ようやく落ち着いて自分の時間がとれるかと思いきや、次々と降って湧いてくる雑用の数々。 どこにも向かっていかない作業・・・いったいいつまでこんな雑務を課されるのか・・・。 おそらくこの先ず…

対話とネゴシエーション

相も変わらず、ばたばたとやることに追われている毎日を過ごしていますが、 この前の日曜日に引っ越しをし、ずいぶんと生活スペースが快適になりつつあります。 これで、さくさく研究もできればいいんですが・・・w その引っ越しの前日、うちの大学であるシ…

文化の多様性って・・・

最近、某後輩からこのブログの記事が最近手抜きだと指摘されました。 確かにw 言い訳をしておくと、更新することを重視して、ひとつの記事に情報をどっかと詰め込まずにしていこうと思ってます。 今後もこの方針でいこうと・・・ さて、先々週あたりから学会…

文化的フロンティアとコンタクト・ゾーン

インフルエンザ騒ぎがおさまり(「騒ぎ」はおさまったけど、インフルエンザ自体はなんら変わらず、存在してるのでしょうが・・・。こういう状況をみていると、公衆衛生という問題が単純に病原体があるかないかの問題ではなく、どのように人々に認識されてい…

過去と現在の「自分」:同窓会における「幽霊」的状況

そろそろ更新をしないとまずいなぁ、ミシェル・ド・セルトーについて書こうかなぁと思いつつ、 セルトーについて何か書けるほどの余裕がない今日この頃。 ということで、今回は歴史学とはあまり関係ない(ちょっとはあるかもしれない)ことを書こうと思って…

歴史人類学と文化史

ご無沙汰しております。 講義の準備と研究に追われて、なかなか更新する時間がとれませんでした。 4月に入り、環境が変化して、ようやく生活のリズムをつかんできました。 といっても、母校で勤務しているせいもあり、生活の場が変わったわけではないのです…

マルクス主義からの批判

更新が遅れました。 3月は頼まれごとの類いが集中し、かなり忙しく、あちこち動き回っていました。 このブログには、書いていませんでしたが、4月より大学院生ではなくなり、 大学で非常勤講師として教えることになります。 このブログの内容は、そこで教え…

「文化史」史:「古典」的文化史

今回から「文化史」の歴史について書いてみようと思ってます。 とはいえ、「文化」と同様、「文化史」の歴史なんてものを、 自分一人の力で論じれるほどの力量はないので、 例によって、オーソリティの力を借りようと思います。 今回、力を借りるのは、イギ…

文化史をめぐる諸問題:その3

なにげにタイトルをいじってみました。 微妙な変更です。ただ「@はてな」つけただけです。 あまり深い意味はないのですが、「@はてな」をつけることで、 今後の活動の場の広がりへの期待を持たせようかと思った次第です。 さて、前回からわりとはやく更新…

「文化史」をめぐる諸問題:その2

1ヶ月ほど、ご無沙汰していました。 この間、本業のほうにかかりきりで、こちらを更新する余裕がありませんでした。 すみません。 それでも月に1回は更新できているので、自分としては、まあ許容範囲なんじゃないかと思っている次第です。 だいたいこんなペ…

「文化史」をめぐる諸問題:その1

最初の記事から、ご無沙汰しているうちに、年が変わりました。 2009年になってしまい、最近(でもないか…)よく見かける「ゼロ年代」とか、「ゼロアカ」という言葉もこの一年で、現状を表す言葉としては使えなくなってしまうのかと思うと、月並みながら、時…

今日、ブログを開いてみました。

一応、意図することはいろいろあるのですが、 おいおいこのブログで書くこともあるかと思います。 とりあえず、簡単な説明をすると、僕は西洋史の研究をしています(現在は大学院生)。 当然、専門の分野もあるのですが、これについても書くこともあるかもし…